環境管理バックナンバー 2014年 9月号

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2014年9月号 特集:資源循環政策と企業の戦略

<巻頭特集>

使用済車を中心とした クルマの中長期3R活動と資源循環マネジメント
寺師 茂樹 トヨタ自動車株式会社 取締役専務役員
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 トヨタ自動車では早くから使用済自動車の適正処理や資源循環に取り組み、これまで数々のリサイクル技術や回収システムを開発・構築してきた。こうした長年に亘る3R 活動を評価いただき、
昨年11月リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰において、「内閣総理大臣賞」を関連企業である豊田通商㈱とともに受賞した。ここでは代表的な取組みを紹介するとともに、それを支える理念・方針について紹介したい。

<レポート>

足尾銅山の歴史と環境保全の取り組み
取材協力:古河機械金属株式会社 執筆:本誌編集部
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 天皇皇后両陛下は本年5月に足尾銅山跡地がある日光市足尾町を私的旅行で訪問された。足尾環境学習センターや現在植林が進められている松木渓谷などを視察し、緑化が進んだ状況をじっくりご覧になった。同じ足尾町にあり、現在使用している唯一の堆積場である簀子橋堆積場は、厳重な安全管理が行われている。銅山の歴史を俯瞰するとともに、現在も稼働する浄化処理施設と堆積場についてレポートする。

<コラム>

世界遺産富岡製糸場
本誌編集部
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<特集>

今後の資源循環政策のあり方について
信田哲宏 経済産業省リサイクル推進課
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 我が国では、各種リサイクル法の整備等により一般廃棄物・産業廃棄物ともにリサイクル率が改善してきたが、世界各国で資源獲得競争が厳しくなる中、資源小国である我が国の資源循環システム
の効率性・効果性等に関して様々な指摘がなされている。
 本稿では、我が国の最近の資源循環状況や廃棄物処理・リサイクル産業、3Rに係る国際動向等の概況を述べるとともに、これら課題に対する当省の取り組みの一部について紹介する。
家電リサイクルにおける資源循環
藤崎克己 三菱電機株式会社リビング・デジタルメディア技術部リサイクルシステムグループ/井関康人 三菱電機株式会社リビング・デジタルメディア技術部リサイクルシステムグループ
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 2001年4月から施行された家電リサイクル法のもと、家電製品から多くの資源がリサイクルされている。家電製品に使用される材料は、主として金属、ガラス、プラスチックである。金属やガラスは同種材料としてリサイクルされることが多いが、プラスチックについては回収時の純度によって、マテリアルリサイクルからサーマルリサイクルまで幅広い用途に適用されている。
 本稿では、家電リサイクルにおける資源循環の概要をはじめとし、特に技術的難易度の高いプラスチックリサイクルの最新状況について述べる。
非鉄製錬・鉱山業をベースとするDOWAグループの資源循環型事業
田中知子 DOWAホールディングス株式会社企画・広報部門
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 DOWAグループは銅や鉛・亜鉛・貴金属などの非鉄製錬事業を発祥とし、不純物が多く処理が困難な鉱石を製錬する技術とインフラを核に、環境・リサイクル事業を発展させてきた。
 当社の事業は、金属リサイクル事業、産業廃棄物の焼却処理から最終処分、また汚染土壌の浄化など、受け入れる原料の幅が広いことに加えて、顧客から当社工場への運搬、処理の実施、灰など
残渣類の最終処分までをすべてグループ内で行う、ワンストップサービスが大きな特徴である。また、海外展開の強化や小型家電リサイクルの開始、Waste to Energyの推進など、今後の成長に向け
た様々な取り組みも進めている。
セメント産業における廃棄物リサイクルの概要と今後の課題
武田隼一 太平洋セメント株式会社環境事業部営業企画グループ
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 セメント産業では、年間2,800万tを超える廃棄物・副産物のリサイクルを行っている。このように大量に処理できる理由としては、セメント生産量が年間5,900万tと大量であることに加え、セメントが地殻を構成する主要成分であるCa、Si、Al、Fe等から構成されるために多種多様な廃棄物を原料として使用できること、高温焼成により有害物質の分解・除去等ができること、結果として製造される物がセメントであるために処理後の成分や排ガス等の安全性の確認が容易であること等が挙げられる。
 この稿ではセメント製造工程及び廃棄物処理の概要について解説するとともに、廃棄物活用にあたっての今後の課題について紹介する。
彩の国資源循環工場の概要
埼玉県環境整備センター
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 埼玉県では、持続可能な発展と資源循環型社会の形成を目指し、公共関与による透明性の高い住民合意システムの下に、全国に先駆けた「資源循環型モデル施設」として、「彩の国資源循環工場」
を整備した。
 「彩の国資源循環工場」は、90%以上の高い再資源化率を達成するとともに、全国初のダイオキシン類0.01ng−TEQ/m3N規制(焼却施設)、徹底した情報公開と住民監視システムの構築など、埼玉県と立地事業者、地元自治体(大里郡寄居町、比企郡小川町)、地元住民が一体となって環境に配慮した運営を行っている。
ニッケルめっき廃液・スラッジ等のリサイクルに向けた技術動向
中島謙一 独立行政法人国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター/松八重一代 東北大学大学院工学研究科/三田村修一 日鉄住金総研株式会社調査研究事業部/田中幹也 独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門
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 ニッケルめっきは材料の高付加価値化を可能とする重要な表面処理技術であるが、めっき・水洗工程を経て排出されるスラッジ等の処理・処分にともない資源の散逸を招いている。本稿では、ニッケルめっき廃液・スラッジ等の処理状況及びリサイクル技術の開発動向、その特徴を概説する。
 現状において、ニッケルめっき廃液・スラッジ等は発生物であり、質的・量的にも二次資源としての魅力は少なく、日本国内にはリサイクル市場が十分に形成されていない。リサイクル促進のために、発生物から生産物への転換を可能とする高付加価値化技術の確立と仕組みづくりが望まれる。

<シリーズ>

【受験ガイド シリーズ7】公害防止管理者等国家試験―直前の諸注意
本誌編集部
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 当協会では、毎年10月の初旬に、「公害防止管理者等国家試験」を行っています。この連載は、国家試験や認定講習で公害防止管理者資格の取得をめざしている方を対象に、平易なガイド情報
をお届けしています。公害防止管理者等国家試験は10月5日(日)、いよいよ1か月を切りました。7回目の今回は、試験直前から試験当日までの期間に特に例年のご質問が多い事項を、「直前の
諸注意」としてまとめておきます。受験される皆さんは、受験票・写真票忘れなど、知識の実力以外の部分で躓かないよう、余裕をもって準備を整えてください。
【よくわかる地球温暖化問題シリーズ6】長期目標としての2℃の意味
亀山 康子 独立行政法人 国立環境研究所
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 2014年春、IPCC第5次評価報告書の公表を契機として、日本国内において長期目標としての2℃に関する主張が目立って聞かれるようになった。現在の国際会議の議題となっているわけでもなく、日本国内で特に見られる動向といえるが、本稿でもこの機会に、2℃目標が意味するところを改めて解説する。2℃目標が目標となった経緯を踏まえ、いかなる観点からの目標であるのかを確認する。そして、日本国内で聞かれる議論が最近とみに日本で独自に展開している理由について考察する。この長期目標の議論は、今年秋以降に始まると想定されている2030年排出削減目標の検討過程においても出現すると予想されるが、意味を正確に理解できていないと混乱を招くおそれがある。
【環境法 法令違反から学ぶCSR経営29】低周波音問題への対応策―企業の「CSR度」が試される問題
伊藤茂孝 弁護士/日本CSR普及協会・環境法専門委員会委員
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 近年、低周波音を理由とする苦情・紛争等は増加傾向にあり、なおかつ社会問題化している。しかし、低周波音については法規制等がなく、知見も確立していないことなどから、低周波音に関する問題は混乱を来しているのが現状である。
 もっとも、そうであるからこそ、低周波音問題においてはその企業のCSRに対する意識、いってみれば「CSR 度」が試されるといってよい。
 本稿では、低周波音及び低周波音問題の概要、低周波音を巡る行政の指針等、及び低周波音が問題となった裁判例や公害等調整委員会に係属した事例等を概観した上、これらを踏まえ、低周波音問
題の予防・解決のために企業としてどのような姿勢で取り組むべきかを検討する。
【実務に使える産業廃棄物関連法6】廃棄物処理委託契約書の作成と締結
佐藤 泉 佐藤泉法律事務所 弁護士
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 排出事業者は、産業廃棄物の処理を他人に委託する場合には、収集運搬及び処分について、それぞれ許可業者に直接委託し(法第12条第5項)、法定の記載事項が含まれる委託契約書を締結しなければならない(法第12条第6項)。 処理委託契約書に法定の記載事項が含まれていない場合、委託基準違反として罰則(法第26条1項、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこの併科)の対象となる。
 しかし、処理委託契約書は、長期にわたる継続契約であることが多く、その内容の変更や、記載の仕方、修正の仕方に悩むケースが少なくない。そこで、契約書の内容を明確にすると同時に、将来の変更可能性も考慮し、管理を容易にすることも必要である。排出事業者は、廃棄物処理法が処理委託契約書の作成を義務付けている趣旨を十分理解し、処理工程の把握を行ったうえで、適正処理を確保する観点から、契約書を作成することが重要だ。
【先読み!環境法27】家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書(案)のパブリックコメント実施
小幡雅男 神奈川大学大学院法務研究科講師
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 7月30日の合同会合で家電リサイクル制度についての報告書(案)がまとまり、パブリックコメントが実施された。その中の課題解決に向けての具体的施策について紹介する。他に参議院で異例の反対討論が行われた「地域自然資産区域における自然環境の保全及び持続可能な利用の推進に関する法律」の性格とその課題について解説する。
【環境法改正情報】(2014年6、7月改正分)
見目善弘 見目エコ・サポート代表
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◉労働安全衛生法(6月公布)
◉地球温暖化対策推進法
◉農薬取締法
◉高圧ガス保安法
◉土壌汚染対策法
◉化審法
◉放射性物質汚染対処特措法
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