環境管理バックナンバー 2020年 1月号

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2020年1月号 特集:これからの環境・SDGs経営2020

<巻頭レポート>

環境データの改ざん、災害による汚染漏洩事故
本誌編集部
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 徳島県と三重県のごみ処理施設で、焼却炉の排ガスに含まれる有害な大気汚染物質の濃度データが実際より
低い基準内の数値を示すよう改ざんされていた事件が発生した。ごみ焼却炉の報告用の排ガス測定値が一定値
以下に自動表示される「ピークカット制御」のプログラムを竣工時から導入していた問題で、その経緯を公開情報からレポートする。続いて、昨年の台風や豪雨によってシアン化ナトリウムなど毒物が漏洩した事故をまとめた。
日本企業の温暖化対策ランキングからみえてきたこと
池原 庸介(WWFジャパン気候変動・エネルギーグループプロジェクトリーダー)
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 WWFは、独自プロジェクト「企業の温暖化対策ランキング」の下で、製造業を中心に企業各社の取り組みが真に実効性のあるものであるかを業種横断的に評価してきた。その結果、素材産業の多くやエネルギー関連業種において、情報開示の面ではある程度取り組みレベルが高まっている反面、戦略や目標の策定の面では、全般的に取り組みが遅れている実態が浮き彫りとなった。TCFD提言に沿って、将来にわたる事業活動の持続可能性を示す上でも、まずは短期志向から早急に脱却し、2030年や2050年、2100年といった長期の視点に立つことが重要である。

<特集>

富士通グループの取組み
青山 信秀(富士通株式会社 サステナビリティ推進本部 シニアディレクター)
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 富士通グループは、テクノロジーをベースとしたグローバルICT(Information and Communication Technology)企業として、幅広い領域のプロダクト、サービス、ソリューションを提供してきた。経営にお
いては、1935年の創業以来、地球環境保全を最重要事項の一つと位置付け、全社の環境方針を掲げ、活動に取り組んでいる。世界では、国連でのSDGsの採択やパリ協定の発効により、地球規模での持続可能な社会への取組みが一層強く求められるようになっている。当社が果たすべき役割が大きくなっていることを認識し、自らの事業での環境負荷を低減するとともに、デジタルトランスフォーメーションを社会に実装することで、持続可能な社会の実現に貢献していく。
日本軽金属ホールディングスグループの取り組み
松下 宗由(日本軽金属ホールディングス株式会社 CSR・監査統括室 環境保全担当部長)
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 日本軽金属ホールディングスグループ( 以下、「当社グループ」)は、「アルミとアルミ関連素材の用途開発を永遠に続けることによって、人々の暮らしの向上と地球環境の保護に貢献していく」ことを経営理念に、事業活動を通じて広く社会に貢献し、企業価値の向上を図っている。2019年には2019~ 2021年度中期経営計画として、基本方針「チーム日軽金として異次元の素材メーカーへ~ 1.グループ連携による新商品・新ビジネスモデルの創出、2.地域別×分野別戦略による事業展開、3.企業体質強化(事業基盤強化)~」を掲げて、アルミ製品を通して、持続可能な社会の発展に貢献している。
NOKの環境・SDGs経営への取組み
中山 富雄(NOK株式会社 執行役員 品質・環境管理室長)
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 NOKグループは創業以来、オイルシールなどのシール製品を始めとした各種工業用機能部品、油空圧機器、合成化学製品、電子機器製品等様々な分野で、独自性のある機能部品を供給することを目指してきた。シールの主たる機能「漏らさない」ことは、持続可能な社会の実現に向け、世界中の顧客製品に組み込まれて環境負荷を低減する技術を提供するものとして貢献している。主体的な環境問題への取組みが、全世界の共通課題であることを認識し、安全、品質、環境、そしてガバナンスが経営の必須事項であり、環境問題を極めて重要な経営課題の一つに位置付けて、環境保全活動に取り組んでいる。
北海道電力グループの取り組み
後藤 雅春(北海道電力株式会社 執行役員 環境室長)
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 北海道電力グループ(以下、ほくでんグループ)は、「人間尊重」、「地域への寄与」、「効率的経営」の経営理念のもと、電気を中核とする商品・サービスの提供を通じて社会経済の発展等に寄与するとともに、「ほくでんグループ環境方針」に基づき、持続可能な社会の形成に向けてグループワイドな環境経営に努めている。
 本稿では、ほくでんグループの環境問題への取り組みについて紹介する。

<総説>

化学物質管理入門(その3)特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法)における化学物質管理
佐竹 一基(OFFICE KS(環境と技術)代表/一般社団法人 産業環境管理協会 技術顧問)
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 今回は、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化学物質排出把握管理促進法または単に化管法とも呼ばれる。本稿では以下「化管法」と表記)の大まかな内容とそれによる化学物質のリスク削減について述べるともに、どのような管理が求められるかを解説する。

<シリーズ>

【産廃コンサルタントの法令判断/第46回】PCB関連法改正――何が変わるか?
佐藤 健(イーバリュー株式会社 環境情報ソリューショングループ マネージャー)
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日々廃棄物管理の実務現場を歩く産廃コンサルタントの違反事例紹介シリーズ(第46回)。

【新・環境法シリーズ/第95回】CCS普及・導入の社会的制度・戦略の研究
柳 憲一郎(明治大学 法学部 教授)/小松 英司(明治大学 環境法センター 専門研究員)
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 わが国は、2050年までに80%のGHG排出削減を目指しており、2016年11月に発効したパリ協定を踏まえ、2020年までに26%の削減を公約している。この実現のためには、二酸化炭素回収・貯留(以下、CCSという)の社会実装が必要であり、今まで環境行政ではほとんど前例のない超長期管理を含めたCCSの包括的な法規制や政策の整備が喫緊の課題となっている。本研究ではIEA(国際エネルギー機関)により提示されたCCSの特定課題である「異常時の監視・措置」や、現状では法制化されていない「長期貯留、閉鎖、閉鎖後の長期の維持管理規定」も規定したCCSの法規制・政策の枠組みモデルを提示したい。2050年目標の達成には、火力発電の約70%、産業部門の約80%にCCSが実装されることを要する。この導入シナリオは実現可能なものであるが、実現に向けてCCS-Ready 法の策定・早期施行が必要となることから、CCS-Ready 法に必要となる規定を提示するものである。
 また、大規模なCCSの普及・導入には地域開発計画や社会インフラの構造改革を伴うCCS 事業推進のための政策が必須であるから、上位計画との連携を図りつつ、CCSの導入・普及段階ごとに必要となる関連技術及びインフラの網羅的な導入を図る適切なポリシーミックス、それを実現する法的枠組みを見出すという重要な政策課題に取り組む必要があることを指摘したい。なお、本稿は、環境研究総合推進費「二酸化炭素回収・貯留(CCS)の導入・普及の法的枠組みと政策戦略に関する研究」(2-1603)の成果であり、次号以降、各分担者がそれぞれの成果を連載する。
【いつできた?この制度 成り立ちからみる廃棄物処理法入門/第16回】行政処分指針の巻
是永 剛/長岡 文明(廃棄物処理法愛好会)
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 みなさんこんにちは。このシリーズでは、廃棄物処理法を愛して止まない「廃棄物処理法愛好会」のメンバーが、難解な廃棄物処理法や関連法の様々な制度の生い立ちを説明していくものです。
 第16回目は産廃行政担当者のバイブル的な「行政処分指針」を取り上げてみました。今日の担当はK 先生です。
【環境担当者のための基礎知識/第25回】アユが遡上する多摩川の水源は広大な森林──森林破壊と生物多様性を考える
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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 多摩川下流では水質が大きく改善したが、異常な水温上昇の課題もある。持続可能な河川管理には上流域の水源かん養林が鍵となる。森林の役割は、①河川に水を安定供給し渇水や洪水を緩和する、②土砂流出を防止し雨水を浄化する、③様々な生物の生息地、④二酸化炭素吸収といった地球環境保全機能などがある。
 本稿では、多摩川の水質状況から生物多様性や森林の多面的機能、最後に国連の報告書から、熱帯雨林の炭素吸収と貯留機能や森林破壊に関する最新情報をレポートする。国連報告書は、輸入木材などの責任ある消費とトレーサビリティが森林破壊の削減に貢献し、農業が世界の森林破壊の80%を占めるなど、興味深い知見を提供している。
【先読み! 環境法/第91回】「今後の石綿飛散防止の在り方について(答申案)」のパブコメの実施(12月3日まで)――答申を踏まえて2020年の通常国会に大気汚染防止法の一部改正案提出へ
小幡 雅男(前・神奈川大学大学院 法務研究科 講師)
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 石綿飛散防止対策の一層の強化のため、規制内容が近い労働安全衛生法や、建築物関連法令等との連携を念頭に、大気汚染防止法における規制について検討されてきた。法の規制対象となっていない石綿含有成形板等(いわゆるレベル3建材)の不適切な除去、不適切な事前調査、石綿含有建材の取り残しなど除去等作業の基準違反等への対応としての法改正について解説する。
 ❶「今後の石綿飛散防止の在り方について(答申案)」のパブコメの実施(12月3日まで)――答申を踏まえて2020年の通常国会に大気汚染防止法の一部改正案提出へ
 ❷建材含有石綿は建築物解体に伴う危険物(石綿)処理
環境法改正情報(2019年11月改正分)
見目 善弘(見目エコ・サポート代表)
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 ◉廃棄物処理法
 ◉農薬取締法
 ◉水質汚濁防止法
 ◉建築物省エネルギー法
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