環境管理バックナンバー 2024年 6月号

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2024年6月号 特集:簡易分析法の進歩

<特集>

大気、水質、作業環境分野での簡易分析法の進歩
川村 幸嗣(光明理化学工業株式会社 開発支援室 次長 博士(材料科学))鈴木 圭祐(理研計器株式会社 営業技術部営業技術課 主査 博士(工学))
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大気、水質、作業環境分野での簡易分析法について解説する。簡易分析法は化学物質の測定に利用され、誰でも、どこでも、いつでも使用でき、すぐに結果が得られる。一方で感度・精度・選択性に限界があり、万能ではないが現場測定に適しており迅速な判断や対処を行う上で有効である。この簡易測定法の進歩について、歴史的な経緯とともに最新の製品情報も含めて解説する。
検知管の近年の進展
青柳 玲児(株式会社ガステック)
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簡易ガス測定器の一つである検知管は、ガスと反応して変色する層の長さから濃度を測定するもので、操作が容易で熟練を要せず、その場で結果が分かり、簡易性に優れたものである。近年では、室内濃度指針値等に対応した連続吸引式の高感度用検知管の開発が進み、作業環境測定に準じた測定システムにも応用され、労働安全衛生法の化学物質のリスクアセスメント、及び作業環境測定の個人サンプリング法においても適用が拡大している。また、無機水銀等、廃棄物処理法に掲げられる有害物質を使用しない検知管の開発が進んでいる。今後も法令等に則した測定、或いはスクリーニングや日常的な濃度管理等、様々な場面で検知管の活用が期待される。
パックテストによる排水中動植物油脂の現場分析
村居 景太(株式会社共立理化学研究所 事業開発部 研究開発課 マネージャー)海田 学(株式会社共立理化学研究所 経営推進部 チーフマネージャー)
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排水に含まれる油脂類は、排水管や下水道管内で冷えて固まり、詰まりや悪臭など衛生上の問題を引き起こし、公共用水域に流出すれば水質汚濁の原因になる。下水道法や水質汚濁防止法において、排水中の油脂類はノルマルヘキサン抽出物質含有量として規制されるが、分析設備が整備されていない環境においては日常的な分析が実施困難である。本稿では、現場で迅速に利用できる排水中油脂の簡易検査技術として、「パックテスト 動植物油脂」を紹介する。排水処理における水質管理の効率化や、異常時の原因特定、スクリーニング検査などに有用である。

<特別寄稿>

改定欧州廃車(使用済み車両:ELV)規則案について― 欧州資源循環政策の中での動き―
浅田 聡(一般社団法人産業環境管理協会 国際化学物質管理支援センター)
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2023年10月、欧州で資源循環政策の一環として、提案された、欧州ELV指令(2000/53/EC)改正案に対する意見募集が終了した。改正案では、対象車種を拡大し、リサイクル設計の推進、解体事業の高度化及び循環性の推進、重要原材料の循環利用、中古車輸出の厳格な管理、さらには自動車製造者と解体処理業者間の連携強化を目指している。また、3R(Reduce, Reuse, Recycle)指令との統合も提案されている。自動車メーカーにとっては、再生樹脂の使用拡大、解体性を考慮した設計、資源循環性戦略の策定、循環性車両パスポートによる情報開示が、今後、さらに求められることになる。

<レポート>

カルビー(株)の持続可能なビジネス ― 自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造―
本誌編集部
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カルビー株式会社(以下、カルビーと表記)はスナック菓子などで国内市場シェアはトップの地位にある。大地から掘り出したじゃがいもなど農作物を原料に、食品を製造している。日経クロストレンドとファン総合研究所が最近実施した、「顧客幸福度」の大規模調査では、調査対象の11業界82ブランドの中で、高いスコアを記録した菓子メーカーがカルビーであった(日経2024/4/10)。
「かっぱえびせん」や「カルビーポテトチップス」、「じゃがりこ」など、多数のロングセラーブランドを保持し、食と健康に注力し持続可能な経営をする企業で、最近では海外売上が約1/4となり、グローバル化も進みつつある。今回、工場見学の機会があったので、顧客幸福度の高いカルビーの、サステナビリティ経営の一面を取材させていただいた。

<シリーズ>

【展望・日本のエネルギー問題を考える66】GX 実行の第2フェーズに向けて ― 第11回GX実行会議の議論の"読み方"―
竹内 純子(NPO 法人 国際環境経済研究所 理事・主席研究員/東北大学特任教授)
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GX実行会議は、2022年7月に立ち上げられ、2023年末までに10回開催された。設置から半年間で5回開催され、2022年末にGX 基本方針を策定し、翌年2月には同方針の閣議決定に至っている。この方針に基づいて、2023年5月には「GX推進法」、「GX 脱炭素電源法」が相次いで成立し、わが国のGX は船出した。
バックボーンとなる法整備ができたところで求められるのは、戦略の策定である。法制定後初めての開催となった第6回GX実行会議では、各国のGX戦略の分析やわが国の産業分野別の今後の道行きが描かれ、速やかな戦略策定に向けての議論が行われた。それを受けて7月には「GX推進戦略」が閣議決定されている。
その後、産業分野別に支援のタイミングや規模などについての議論を進める一方で、その支援の償還原資となるカーボンプライシングについて第7回で議論が進められた。分野別投資戦略の議論は、GX実行会議の下に設けられたワーキングも含めて進められ、昨年12月に開催(持ち回り開催)された第10回GX実行会議でその概要が提示された。
このように、わが国のGXの実現に向けて実は議論が着々と進められてきた。そして5月13日に今年初となる第11回が開催されたが、ここからわが国はどのようにGXを加速化・具体化させていくのか。これまでの議論を踏まえ、GX実行会議での議論の“読み方”を共有したい。

【弁護士からみた環境問題の深層/第42回】CCS の現状・課題とCCS事業法案
寺浦 康子(エンデバー法律事務所 弁護士/日本CSR 推進協会・環境法専門委員会委員)
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日本政府は、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けてCCSを推進すべくCCSへの事業者の参入を促すため、CO2の貯留・試掘を行う事業を許可制とし、かつ事業者の権利をみなし物権として排他的独占的なものと設定すると同時に、貯留層へのパイプライン輸送の事業は届出制とするCCS事業法案を策定した。今後策定される経済産業省令の内容にもよるが、事業者にとっては、相当程度、事業リスクが軽減される内容となっていると思われる一方で、許可の基準、陸域での環境保全、利害関係人との権利調整、海外輸出の適正性の担保が十分かどうか等については、更なる検討を要する。

【環境コンサルタントの 法令判断/第99回】現場でよくある事故事例 〜実際にあったケースから、労働安全のルールを確認する〜
佐藤健(イーバリュー株式会社 コンサルティング事業部コンサルタント/マネージャー)
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今年の4月には、皆さんの会社にも新入社員が入社したでしょうか?
現場への配属時期は企業によって異なりますが、早ければ既に実務が始まっているところもあるのではないでしょうか?
新人の配属時、特に注意したいのは安全についてです。
製造業では、必ず安全教育を行ってから配属となりますが、それでも経験不足の従業員には不安が残ります。
安全教育で効果的なのは、実際の事例をもとにして現実の作業をいかにイメージさせるかです。
今回は、いくつかの典型事例をもとに、法規制の解説とあわせてご紹介していきます。
【環境担当者のための基礎知識/第75回】排水管理の入門講座 ― 水質汚濁防止法違反で逮捕起訴され有罪判決―
岡 ひろあき(環境コンサルタント)
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2019年1月、食品リサイクル工場を運営する会社の社長と工場の責任者が、工場排水を適切に処理せず排水基準を超過したため水質汚濁防止法違反の容疑で逮捕された。その後、違法な排水についての内部マニュアルが発覚し、深夜や雨天、満潮時に排水を行う、など組織的な行為であることも判明し逮捕者と会社は裁判で有罪になった。社長の立場や会社の利益を守りたいという独善的かつ利己的な動機から違法排水をしていた。
会社は違反発覚から2カ月ほどで名古屋市等から廃棄物関係の許可が取り消され全顧客を失った。事業譲渡なども模索したようだが、2019年12月に破産手続きの開始決定を受けた。本稿では判例を紹介して、名古屋市における食品リサイクルの背景も説明する。後半では水質汚濁防止法の基本的なポイントも解説する。
【新・環境法シリーズ/第147回】インドネシア環境林業大臣規則75号(2019年)の検討 ─ プラスチックのEPRを中心として─
中村 健太郎(一般社団法人産業環境管理協会/CLOMA事務局)
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インドネシアの環境林業大臣規則75号(2019年)「生産者による廃棄物削減ロードマップ」(以下、省令という。)は、2029年中に廃棄物総量30%削減の目標を達成するため、生産者に対して製品・容器包装の回収及び費用負担のEPRの内容を定めている。また、プラスチックの素材によっては2030年からの使用が禁止されることが掲げられており、現地製造業にとって影響の大きい内容になっている。現在、省令は試行段階を経て実施段階に入っており、生産者は2030年に向けての自主的な対策が求められている。本稿では、省令の内容を条文に沿って整理したうえで、制度の実効性や、プラスチック汚染条約交渉(INC)におけるEPR、問題のあるプラスチックの使用禁止に関する国際動向の観点を踏まえて検討した。
【先読み! 環境法/第144回】第六次環境基本計画の策定
小幡 雅男(元・大阪学院大学 教授)
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2024年2月26日の第115回中央環境審議会総合政策部会で案がまとめられた「第六次環境基本計画」について解説する。また、5月13日の第11回GX実行会議での総理発言についてまとめた。
1 第六次環境基本計画の策定
2 第六次環境基本計画(案)
3 第六次環境基本計画の全体像
4「 ウェルビーイング/高い生活の質」をもたらす「新たな成長」の実現
5 5月13日の第11回GX実行会議での総理発言(GX移行戦略を国家戦略へ)

 

環境法改正情報(2024年4月改正分)
宇佐美 亮(一般社団法人産業環境管理協会 人材育成・出版センター 技術参与)
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◆電気事業法関係
◆PCB特措法関係
◆労働安全衛生法(1)(2)
◆海洋汚染防止法
◆水銀汚染防止法
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